自然なあいさつ

 私は日新電機(株)前橋製作所でカウンセラーとして日新ハートフルフレンド株式会社(以下NHF)に関わっています。

 NHFは、メンバー皆さんがあいさつで迎えてくれます。NHFと関わってまだ1年ですが、初めて訪問した日から今日まで変わらぬあいさつを届けてくれています。

 「こんにちは。おじゃまします」と事務所に入ると、静かで落ち着いた、でもしっかりとした声で「こんにちは」と迎えてくれます。私はこの瞬間がとても好きです。きちんと顔を向けて迎えてくれる姿に、頼もしさと安心感を覚えます。

 あいさつというと当たり前のように感じますが、人間、良いときも悪いときも一定の調子であいさつをすることは案外難しいものです。

 「働く」というと、仕事ができるかどうか、効率よく進められるかどうか、と業務に直結することが浮かびます。もちろん働く上で、そのことはとても大切なことです。

 しかし、障がいの有無に関わらず、働く人誰もが仕事の基盤となることがあります。例えば、生活リズムを整え時間通りに出勤することや、仕事で必要な体力を維持すること、同僚や上司等周囲と関りを持つこと等です。そういった仕事の基盤となる能力のことを「職業準備性」と呼びます。そして、その基盤を実行していることを「職業準備性が整っている」と表現します。

 あいさつが職業準備性のひとつと考えられている理由は、仕事では、周囲との関りを持ち、協力して業務を遂行していく姿勢を自ら表現することが必要となるからです。

 

 朝は「おはようございます」から始まり、来訪者があれば「こんにちは」と迎え入れ、仕事が終われば「お疲れさまでした」と労いあう、NHFのメンバーの皆さんは、それを自然体で行っています。まさに「職業準備性が整って」います。更に、そのあいさつを指導員さんや支配人さんが受け止め、気持ちの良いあいさつを返しています。

 

 今日もNHFでは、メンバーの皆さん、指導員さん、支配人さんが作り上げた気持ちの良い職場で、協力し合いながら集中して業務に取り組んでいます。

 

(前橋製作所 カウンセラー S記)