NHFの皆さん、4年間(とちょっと)、ありがとうございました。
私ごとですが、この3月末で45年勤めた日新電機を退職することになり、併せて、
お世話になった日新ハートフルフレンド(以下、NHF)を去ることになりました。
2021年1月、前任者の後を引き継ぎ支配人として着任し、早や4年が過ぎました。
NHFは、日新電機の特例子会社として2015年9月に設立され、翌2016年1月より
障がいのある社員5名と指導員2名、支配人1名で、工場内の事務所跡を借りうけ操業を開始しました。
当時、人事部の障がい者雇用を担当していた私は、NHFの立ち上げ当初より関わり、その後もNHFの成長を支え見守りながら、今日まで共に歩んで参りました。
そのNHFが今年で創業10年目を迎えることとなり、まさに万感の思いであります。
着任した2021年という年は、前年に世界的規模で拡がり始めた新型コロナの感染を防ぎながら社会生活をいかに継続していくかという、闘いの真っただ中にありました。
着任早々、海外の子会社で作られた、飛沫感染防止用のアクリル製の遮蔽板を組み立てて事務所の各自の机に設置する、という特急の作業が飛びこんできました。
梱包用段ボール箱から透明の重たいアクリル板を取り出し、表面に貼られたフィルムをきれいに剥がし、ビスとナットで組み立て、それを20Set以上作る。
とても一人では出来ない作業なので、彼らに手伝ってもらうことにしました。
みな、初めての作業にも関らず、腕組みして手元の組立図を眺める私を尻目に、段ボール箱から部材を取り出し一つ一つ形を見ながら、互いに連携してサッサと組立てていく姿を目の当たりにし、内心とても驚きました=まず、手・身体を動かすので作業スピードが速い。
NHFではごく普通の光景だったのでしょうが、障がい者の方と仕事を通じて接するのは初めての私にとっては、この共同作業の経験は、よい意味で私の固定概念を塗り替え、安心と期待感を高めてくれました。(まことに、目の覚める出会いだったと思っています。)その期待通り、NHFで働くメンバーの仕事ぶり・成長には目覚ましいものを感じます。
受託事業では、事業部門、コーポレート部門、支社や関係会社など、多くの部門のご協力により仕事の機会をいただき、事業を拡張・成長させることができました。
当初、文書・図面の電子化からスタートした受託事業も、その後、花壇や多様性植物管理、社報やカレンダーの封入配布、データ入力・編集、製造補助作業、会場設営や清掃など、多くの仕事を受託させていただくことができました。
2019年度から前橋事業所も加わり、事業の受託先もキャパシティも拡がりました。
事業の拡張に伴い、社員数も最初の5人から前橋も含め27人へと5倍に増えました。
今日のNHFの成長・発展は、会社の土台を築き、経営状況の波に柔軟に対応され、辛抱強く事業運営を支えて来られた諸先輩方のご努力、ご尽力の賜物だと思います。
中でも、日々、メンバーと向き合い仕事や社会生活面の指導・相談を実施し、彼らの育成をはかるという、とても重要な役割を担われている指導員さんの存在は欠かせません。
NHFが今日あるのも、指導員さんのお陰、と言っても過言ではないと思います。
指導員さんが、優しくも時に厳しく、成長を願いつつメンバーに接する姿を幾度も目にし、失われて久しい、職場に於ける人と人との関りの大切さを再認識することができました。
忘れかけていた、昭和の時代の懐かしい、厳しくも暖かい職場の人間関係・空気・感情を思い起こさせてもらった気がいたします。
この4年余り、目や耳、体力・知力は衰える一方ですが、心は豊かになったと感じます。
会社生活の一番最後の時に、NHFで充実した時を過ごせたのは幸せでした。
こうした機会を与えて下さった皆様に感謝申し上げます。
NHFで仕事に携わることが、人の生きがいや幸せにつながる事を信じております。
日新ハートフルフレンドのこれからの益々の発展と皆様のご活躍を祈ります。
みなさん、長い間ありがとうございました。
(京都事業所 支配人 北村記)